寒い時期に発症する病気と、筋骨格系疾患対策に必要な栄養素

犬や猫といったペットは、近年では、人間と同じ様に室内で過ごす事が多く、それにより寒さに対する抵抗が薄れてしまっています。

中でも、寒さを守る為の下毛がないマルチーズやプードルなどの犬種や、フレンチブルドッグのような短毛の犬は、特に寒さに弱いです。


犬や猫も人間と同様に、冷えが大敵となり、寒さや乾燥から体調を崩しやすくなります。

飼い主さんは、寒くなる時期に多く発症する疾患に対する知識を持ち、対策を心掛ける事が大切です。

冬にペットが発症しやすい病気

人間と同じように、犬や猫も気候の変化によって、様々な疾患を患ってしまいます。


・泌尿器系


冬は寒さと運動不足のため、水分を補給する回数も減りがちです。

水分補給が充分でないと、必然的に尿の量も少なくなり、尿道結石や膀胱炎などの泌尿器系の疾患が発症しやすくなってしまいます。



・肺炎・気管支炎


冬場は肺や気管支などの炎症の可能性も上がります。

よく咳をし、鼻水が出ていることが多いと感じたら、早めに獣医さんに診てもらう事が大切です。

冬場の発症が特に多い筋骨格系の疾患

筋骨格系の疾患とは、主に関節炎や椎間板ヘルニア、膝蓋骨脱臼などに当たります。


寒くなると、人間と同じように、犬や猫も関節痛が起こることがあります。

気温の低下や気圧の変化などにより身体が冷えるため、血行が悪くなり、痛みを感じやすくなってしまうのです。


犬は本来関節が弱く、骨折や脱臼を起こしやすい動物と言われており
寒さで関節が動かない状態のまま突然激しい運動をし、無理な体勢をとってしまうと関節を痛めてしまうのは、人間と変わりません。

そのため、寒い時期には歩くことを嫌がり、足を痛がるなどの様子が見られ、筋骨格系疾患での通院が増加すると考えられます。



関節炎


骨と骨の間には関節があって、体がスムーズに動くようになっています。

関節は関節包と呼ばれる袋で囲まれて、中には潤滑油の役割を果たしている滑液で満たされています。

関節となっているお互いの骨の表面は滑らかで弾力のある軟骨で覆われており、衝撃を吸収し、非常にスムーズに動くことが可能な作りになっています。


関節炎は、高齢になって新陳代謝が衰えてきたり、自己免疫性疾患や感染症になったり、肥満が原因で関節に負荷がかかることで、骨と骨の間でクッションの役割を果たすはずの軟骨がうまく機能せずに、炎症細胞が集まり、痛みが出てしまう病気です。

これらの症状が現れると、散歩を嫌がったり、途中で休憩する事が増え、日頃の歩き方の様子にも異変が見られるなどの変化が見受けられ、どこかの関節が炎症を起こしている可能性があります。

また、関節炎になるとその激しい痛みのため生じたストレスが原因で、元気や食欲がなくなるなど、栄養の面にも悪影響を与えてしまいます。



椎間板ヘルニア


椎骨には大きな穴があって、脳から尾の付け根までトンネルを造り、このトンネルの中を脊髄が通る仕組みになっています。

それらの骨の間で、クッションの役割を担っているのが、椎間板です。

椎間板はゼラチンの髄核とその周りを取り囲む繊維から構成されています。


ヘルニアは、臓器の一部、または全てが、体内の隙間から脱出し、正常な側の臓器が圧迫を受けて機能障害を引き起こしたり、体の外に出てしまう病気です。

椎間板ヘルニアは、激しい運動や老化などで椎間板に変性が生じて、髄核と呼ばれる物質が脊椎のクッションとなる脊髄と、脊髄から出る神経を圧迫してしまうヘルニアです。


椎間板ヘルニアは主にミニチュアダックスフントなどに症例が多く見られる病気でもあります。

犬や猫の身体の構造上、胸や腰でヘルニアが生じると、必ず脊髄を損傷することになります。


足を引きずったり、階段の上り下りを嫌がるなどの様子が見られ、悪化すると、神経が麻痺して半身不随を起こしてしまう可能性がある、とても危険な病気です。



膝蓋骨脱臼


膝蓋骨脱臼は、いわゆる「膝のお皿」が本来あるべき位置からずれてしまった状態のことです。

小型犬に多いとされてきましたが、ラブラドールレトリバーといった中～大型犬でも症例が散見されています。

外側に抜けるよりも内側に脱臼する方が圧倒的に多く、膝蓋骨脱臼は外傷が原因である場合が少ないと言われています。


膝蓋骨脱臼の症状はとても種類が多く、無症状である事もあれば、時々足を挙げたり、スキップの様な歩き方をしたり、ひどい時には完全に足が着けなくなります。

そして、重症だと骨格の変形により全く足を使えなくなる事もある可能性があります。


いずれの病気も重度となると危険な疾患で、歩行や立つ事さえ不可能となってしまう可能性を秘めています。

冬場に多い筋骨格系疾患の対策にも、栄養バランスの整った食事が効果的です。

動物の関節の構成成分は、体内で合成されます。

加齢などによって体内で合成する量が低下してしまうので、栄養バランスが良い食事と関節の健康を維持をすることが重要になります。


また、食事の栄養素だけでは限界がありますので、カルシウム、グルコサミン、コンドロイチンなど関節に必要な成分含有量が多い、高品質な犬用の関節サプリメントで補ってあげましょう。

特に、健康な関節の維持にはグルコサミンとコンドロイチンが欠かせません。

グルコサミンとは

グルコサミンは、グリコサミノグリカンと総称される分子の主要成分であり、体内の各組織の柔軟性や弾力性に寄与しています。

元々は体内で生成され、軟骨、爪、靭帯、心臓弁などに存在していますが、加齢によって減少していきます。


グルコサミンは定期的に摂取することで、変形性関節症や関節炎などの関節疾患の予防と改善に効果があります。

現在ではサプリメントなどにも配合されており、分子の中に塩酸基があるグルコサミン塩酸塩と、硫酸基があるグルコサミン硫酸塩が使われています。


その効果から、1990年代からはアメリカで、ペットや競走馬などへの関節炎治療としても使われるようになりました。

コンドロイチンとは

コンドロイチンの役割は骨と骨の間の部分である軟骨や関節などにおいて潤滑油の役割を果たします。

また、骨はカルシウムによって生成されていますが、コンドロイチンはこのカルシウムを骨に定着させる働きも持っており、骨に於いても関節に於いても重要な要素です。


グルコサミンと同様、コンドロイチンは加齢によって不足していきます。

コンドロイチンが不足してしまうと、関節炎や関節痛の症状を引き起こしてしまいます。
そのほか、関節部分以外にもコンドロイチンは存在し、皮膚や眼球や肝臓などにも多く存在しています。

さらに、コンドロイチンは体の中における水分の量も調節しています。


コンドロイチンが老化などによって固くなってしまっていると、肌に行くはずである栄養分がうまく行き渡ることができず、肌がより老化していきます。


また、コンドロイチンは細胞から排出される老廃物も外に出す役割も果たしています。
コンドロイチンが不足してしまうと身体の中の細胞の代謝が悪くなってしまい、老化を早めることになってしまいます。


コンドロイチンはグルコサミンと同様、年齢が経てば経つほど減少してしまうものですが、軟骨の摩擦などによっても減少してしまいます。

季節に合わせ、ペットの生活環境を見直す事が大切です。

冬季における、筋骨格系の疾患予防に大切な事は、普段の生活環境の見直しを心掛けることです。

常に風が当たる場所や、極端に寒い場所に長時間じっとしていることは避け、運動する際にも急に激しい運動をしないよう気を付けましょう。

散歩前にマッサージやストレッチをしてあげることも効果的です。

そして、食事で補いきれないグルコサミン、コンドロイチンを、サプリメントを利用し不足分を補い、獣医師さんと相談の上、症状の緩和や予防の一環として継続する事が、冬場の関節の予防にとても大切です。


日々の食事で十分な量を摂取する事が難しいカルシウム、グルコサミン、コンドロイチンといった、骨に必要な栄養素を補うカルシウムサプリメント

家庭のいぬねこ医学で、もっと詳しく犬の病気を知ろう！

愛犬が病気になってしまった時、出来る事はすべてやってあげたいというのが飼い主さんの想いです。

犬の病気と犬の身体の事を知って頂き、サプリメントで症状が快方に向かう事を願っております。

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動物病院やお客様からも沢山の症例報告もありますので、犬の病気を知って頂き、改善する為にはどんな栄養素が必要なのかをわかりやすく説明していきたいと思います。