カルシウムが骨に働くための理想的な栄養バランス

骨の健康に必要な栄養素と言われると真っ先に連想するのがカルシウムだと思います。

カルシウムには骨の形成の他にも、神経伝達の補助など様々な役割を担い、動物の生命活動に欠かす事の出来ない成分です。

犬は人間よりも大量のカルシウムが必要となる動物であり、その量は人間の約14倍にもなると言われています。


愛犬が健康な骨に育ってほしいため、日頃のごはんに多くカルシウムを与えている飼い主さんも多いと思います。

しかし、実は健康な骨の維持にと大量のカルシウムを与えても、殆ど役には立ちません。

カルシウムの効果を機能させるには他の栄養とのバランスが大切です

カルシウムは、ただ大量に与えても健康な骨を育てる為の役には立ちません。

カルシウムを機能させる為には、リンやビタミンなどといった、他の栄養素とのバランス調整が重要です。


カルシウムにとってリンとのバランスは最も重要であり、このバランスが偏っていると、身体に様々な悪影響を引き起こしてしまいます。


リンとは体内ミネラルの中で、カルシウムの次に多く存在する、生物にとっての必須元素です。

体内のリンの殆どは、骨や歯の構成成分として使われており、残りは筋肉、脳、神経などをはじめ、その他のすべての組織の中に存在しています。


カルシウムとリンの理想的な割合は、1：1から2：1くらいと言われています


カルシウムが不足しリンが過剰な状態では骨格が病弱になるほか、過剰なリンによって慢性腎疾患の進行を促進してしまいます。


また、カルシウムが過剰でリンが不足している場合は、行き場のないカルシウムが内蔵や骨の周りに付着し、取り除く事ができなくなってしまいます。

カルシウムとリンのバランスの乱れによる身体への影響

◆骨の異常

腎臓病が進行しカルシウムが低くリンの高い状態となると、それを調整するために、司令塔である「副甲状腺ホルモン」がたくさん作られます。


このホルモンは骨に対して過剰に「造る」と「壊す」ことを指示するため、骨の状態が変化します。

また治療の過程で逆に副甲状腺ホルモンが抑えられてこれらの指令が弱くなりすぎる場合も発生します。


どちらの状態でも骨の状態が変化するため、変形や痛みなどにつながる可能性があります。

また、もう一つの司令塔であるビタミンDがうまく働かなくても骨が変形してきます。

カルシウムとリン、そしてそれらの司令塔がバランスよく働くことが骨の健康を保つために大切です。



◆異所性石灰化

カルシウムとリンの両方が高いと特に起こりやすくなるのが、石灰化です。

筋肉や肺、皮膚、眼(結膜)などの臓器に、サイズは様々ですが硬い骨のようなものができてしまいます。

症状は眼が赤くなって痛みが出たり、皮膚がかゆくなったり、筋肉や関節のあたりに痛みが出たりします。



◆動脈硬化

カルシウムとリンは、内臓や皮膚だけでなく、血管にも石灰化を起こします。

また、カルシウムが高すぎても、リンが高すぎても心臓や血管の病気が発生する危険性が上がるといわれています。

動脈硬化を進行させないためには、コレステロールや血圧だけでなくカルシウムとリンの調節がとても重要です。



リンとカルシウムは結合することで働きます。

どちらが多くどちらが少ないでもない、理想的なバランスを保つ事が大切です。

カルシウムと他の栄養とのバランス調整にはサプリメントの利用が有効です

骨の成分はカルシウムですが、骨を繋ぐ成分はコンドロイチンとコラーゲンです。

また、カルシウムを体内に取り入れる際にはビタミンDが必要であり、コラーゲンやコンドロイチンを機能させるにはビタミンCが必要となります。


このように、カルシウムはそれのみでなく、複数の成分が機能し合ってはじめて効果を発揮する成分です。

それぞれのバランスを考慮した上で食事を与え、不足した栄養素を補っていく事が大切になります。


飼い主さん自ら愛犬の栄養バランスを考慮した手作り食にとって、高タンパク低カロリーな赤身のお肉は非常に重宝される食材です。

しかし、赤身の肉はタンパク質以外にもリンも非常に豊富であり、カルシウムとのバランスが崩れがちとなってしまいます。


様々な栄養を飼い主さんが選んで用意する事の出来る手作り食は、非常に便利ですが、カルシウムとリンのバランスを調整するとなると難しく、同時にビタミン等の栄養素も取り入れるとなると、栄養バランスが偏り調整が非常に困難となってしまいます。


不足しがちなカルシウムは、サプリメントを利用し補う事で、効率よく摂取する事が可能です。


しかし、多種多様なカルシウムサプリメントを選ぶにあたって、気をつけなければならない点があります。

それは、必要なビタミンC、ビタミンDと、グルコサミンやコンドロイチン、コラーゲンが含まれていることと、水に溶けやすい水溶性の乳酸カルシウムサプリメントであることです。


水溶性のサプリメントを利用すると、卵殻や貝殻粉で作られたカルシウムサプリメントでよく起こる、体内での結晶化を避ける事ができ、余剰分が蓄積されずに排泄されるので、カルシウムサプリメントで最も心配される、過剰摂取の問題が解消されます。


消化の吸収を高めるビタミン類がバランス良く配合された、安心してお使い頂ける高品質な水溶性の乳酸カルシウムサプリメントの利用し、カルシウムとリンのバランスを整えてあげる事が大切です。



愛犬の健康な身体の維持にとって、食事の質や栄養のバランスを考えることはとても重要です。

そして愛犬の日々の食事を選んであげられるのは、飼い主さんをおいて他にはいません。


愛犬の身体は、飼い主さんが選んだ食べ物で作られます。

より安全で安心なものを選ぶことができるように、正しい知識を持って、健康な身体を維持し続けれるよう心掛ける事が大切です。

家庭のいぬねこ医学で、もっと詳しく犬の病気を知ろう！

愛犬が病気になってしまった時、出来る事はすべてやってあげたいというのが飼い主さんの想いです。

犬の病気と犬の身体の事を知って頂き、サプリメントで症状が快方に向かう事を願っております。

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動物病院やお客様からも沢山の症例報告もありますので、犬の病気を知って頂き、改善する為にはどんな栄養素が必要なのかをわかりやすく説明していきたいと思います。