カルシウムとビタミンDの必要性

足腰が弱ってくるシニア犬や、ドッグランやアジリティーなどの激しいスポーツによって関節や骨への負担をかけている犬などにとって、カルシウムの補給は欠かせません。

犬にとってのカルシウムは、人間の14倍の量を必要とし、その内の99％は骨と歯の形成、そして1％で、血液などの体液や筋肉を収縮させるなどの重要な整理作用を担っています。

また、骨や歯に含まれるカルシウムは常に新陳代謝を繰り返し変わっていくので、代謝により消費された分を、食事によって補給する必要があります。

カルシウムのサポートを行うビタミンD

前述の作用に支障をきたさないように、カルシウムの摂取量が少ない場合は、それを骨から補い、また摂取量が多い時は骨に蓄積していきます。


そして、各種ホルモンと協力し、骨からカルシウムを取り出す役割を果たしているのがビタミンDです。

体内に入ったビタミンDはまず肝臓と腎臓で活性型のビタミンDに作り替えられます。

活性型ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を良くし、輸送に働き、カルシウムが骨に沈着するのを助けます。

また、カルシウムの摂取量が少ない時、尿中に排出されないように再吸収させる役目もビタミンDは担っています。


このように、カルシウムを腸から吸収するには、ビタミンDが必要不可欠あり、いくらカルシウムを食事から摂っても、ビタミンDが不足していると、カルシウムの吸収効率が著しく低下してしまいます。

ビタミンDの過剰摂取に注意！

カルシウムのサポートに必要不可欠なビタミンD。しかし、サプリメント等でこのビタミンDを摂取する場合は注意が必要です。

サプリメントや薬からビタミンDを摂取する際は過剰摂取に気を付けなければりません。

カルシウムは、水に溶けやすい水溶性などの、適した物を選べば、体外へ排出されるため過剰摂取の問題になるケースはほとんどありませんが、ビタミンDの過剰摂取は血液中のカルシウム濃度を高めてしまい、血管や腎臓や脳などにカルシウムが沈着してしまい、時として命に関わる重大な問題を引き起こす可能性があります。


また、人間など多くの脊椎動物は、ビタミンDは日光浴によって生成されると言われていましたが、最近の研究により、犬と猫は皮膚のプロビタミン濃度が低いので、紫外線による7-デヒドロコレステロ－ルの活性が低いと報告されているそうです。

つまり、犬猫は日光浴をしてもビタミンDはあまり生成されないので、ビタミンDは、食事から摂る必要があると言われています。

カルシウムサプリメントを選ぶ際に覚えておきたい大切な事

カルシウムは、どれだけ与えたのではなく、重要なのはリンとのバランスです。

カルシウムが不足していて、リンが過剰な状態だと、骨格が病弱になり骨折になりやすくなり、更に、過剰なリンは慢性腎疾患の進行を促進してしまいます。

また、カルシウムが過剰で、リンが不足していると、行き場のないカルシウムは内蔵や骨の周りに付着してしまいます。そして一度内蔵に付着したカルシウムは取り除く事ができません。


カルシウムとリンの割合は、1：1から2：1くらいを保つ事が理想的で、これらが偏っていると、体内に数々の悪影響を引き起こしてしまいます。

カルシウムとリンをバランスをバランスを補う為に食事にカルシウムサプリメントを取り入れ、かつカルシウムを効率よく吸収させる為に、ビタミンDを補い、また、カルシウムで生成された骨を繋ぐグルコサミンとコンドロイチンが必要であり、これらの効率よく機能させるビタミンCがバランスよく含まれたサプリメントを利用していく事が大切です。

カルシウムは、それ単独ではなく、カルシウムを補助する様々な栄養素が機能し合う事で、丈夫な骨を形成していきます。


飼われている愛犬、愛猫の体格、年齢、体調、食生活、日頃の生活習慣から、最も適したバランスのカルシウムサプリメントを与えてあげる事が重要です。

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