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犬のカルシウム代謝異常に、カルシウムサプリメント

カルシウム代謝の異常とは、甲状腺の表面と内部にある上皮小体(副甲状腺)の働きが活発になったり、にぶくなったりするとカルシウムの代謝に異常があらわれ、骨や腎臓に影響をきたしてしまう病気です。

上皮小体ホルモンは、上皮小体(副甲状腺)とよばれる部位から分泌されます。血液中のカルシウムの濃度が下がると骨などのカルシウムを動員してその濃度を一定に保って、腎臓からリンを排泄させる働きをしています。


カルシウム代謝異常の症状として、血液中のカルシウムの濃度を保つ上皮小体(副甲状腺)のはたらきが低下して、上皮小体ホルモンの分泌が減ると、落ち着かなくなったり、神経質になったり、運動失調になり、ぐったりして、筋肉や身体が震えたり、骨が弱くなって骨折しやすくなったり、また、筋肉が収縮したり痙攣をしてしまう、テタニーと呼ばれる症状などが表れる事があります、これを、上皮小体機能低下症といいます

逆に上皮小体の働きが活発になって、ホルモンの分泌量が増えると、水をよく飲むようになり、尿の量が増えます。

2~7歳くらいのプードルやシュナウザー、ラブラドール・レトリーバーなどにまれに見ることができる症状です。



カルシウム代謝異常の原因



では、どうしてこのような以上が起きてしまうかというと、それはいくつかの原因が考えられます。

まず病気によって生じるケースです。その中でもよく見られるのが感染症で、上皮小体にキズがついたり、細菌感染が起こることによってこの器官の機能が低下してしまうのです。

癌などの腫瘍ができると、働きが鈍って低下し、カルシウム代謝の異常が生じます。

すると血液中のカルシウムの濃度が低くなるほか、逆に異常に活発になる時もあり、不安定な状態になってしまいます。

食事の栄養バランスが偏って悪くなっている時や、日光に十分に当たってない時などにも、血液中のカルシウムの濃度は低くなっています。

結果、上皮小体が刺激されてホルモンの分泌量が異常に増えてしまうことがあります。



カルシウム代謝異常の治療、予防



カルシウム代謝異常が発症すると、日々の生活の中で様々な症状が見られるようになります。

特に目立つのが元気が無くなる事です。いつもぐったりしていたり、身体を動かさなくなります。

そのほか神経質な状態になったり、水分摂取量が増加し尿の量が多くなるといった症状が見られることもあります。

また、カルシウムの代謝異常によって骨が弱くなり骨折しやすくなることもあります。

普段の行動に比べて、なんとなくおかしい状態が続く事も多いため、違和感を早めに見極め、獣医の先生に診察を受けることが大事です。


そして、その治療法は、犬の状態によって変わります。

上皮小体機能低下症の場合には、血液中のカルシウムの濃度が低い状態なので、カルシウム剤を投与し、上皮小体の機能回復を促します。

それにより、血液中のカルシウム濃度を改善する事で、機能回復を目指すことができます。

また、カルシウム剤だけでは充分な効果が得られない場合には、ビタミンDを与えます。

感染症や腫瘍が原因の場合にはその治療ももちろん行われます。


食事中のカルシウム量が少なかったり、リン酸塩が多かったり、ビタミンDが足りないなどといった栄養性上皮小体機能亢進症の場合には、栄養のバランスのとれた食事を与え、無理な運動はさけて安静にします。

また、骨が弱くなっているので骨折に注意をはらいます。通常であれば回復するまでに8〜9週間かかると言われています。


予防法としては、食餌の栄養のバランスに注意することが重要です。

リンが大量に含まれている、牛の心臓や肝臓が多く入ってるものは避けて下さい。

また、子犬に多く発症するので、子犬には子犬用の食事を与えることで防ぐことができます。


腎臓の病気が原因のときは、慢性の腎臓病の予防と同様に、沢山のタンパク質性のものを与えます。

歯石などを取り除き感染の機会を減らすことも必要です。つねに新鮮な水を与えましょう。



高品質なカルシウムサプリメントを利用し、血液中のカルシウム濃度を改善してあげましょう



治療時に用いるカルシウム、またビタミンD剤を、サプリメントに変更するだけで、より負担を減らしつつ、上質なカルシウムを、必要な分与える事が可能です。

カルシウムとリンは、どちらが過剰でも駄目で、バランスが大事です。

不要分は体外に排泄される、水に溶けやすい水溶性のカルシウムを利用し、過剰摂取を避ける事が可能です。


日常的な仕草から、違和感を感じたら、早めに診断をしてもらい、日頃から適切なカルシウムを摂っている事が、カルシウム代謝異常の予防に大切な事です。




家庭のいぬねこ医学で、もっと詳しく犬の病気を知ろう!

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