犬の関節リウマチ治療にカルシウムサプリメント

関節リウマチは、本来、生体を守るべきはずの免疫機能が異常を起こし、自分自身の関節を異物とみなして攻撃してしまうことで起こる関節炎の一種です。

別名、免疫介在性疾患、膠原病とも呼ばれます。



比較的小型犬に良く見られる病気で、発症年齢は様々ですが、中年齢ぐらいまでの犬の発症が多いといわれています。

また、若年齢で発症するほど進行が早く、関節の変形が起こりやすくなります。

関節リウマチは、発生部位に特徴があり、一般的には、手首と中手指関節に発症することが多いといわれていますが、稀に、膝関節に症状が出る場合もあります。

犬の関節リウマチの症状

関節リウマチは、おもに手首と中手指関節に多く変化が見られます。朝起きたときなどに、リウマチ特有の関節部のこわばりと痛みがあります

発症すると、起床時や休息後に関節の硬直や痛み、左右対称に腫れが進行するという現象が起きるほか、発熱や食欲の低下、足をひきずるなどの症状も現れます。

関節リウマチは進行性の病気であり放置すれば、関節の変形と骨の崩壊が進んで痛みが激しくなり、患部やその周辺を触られることを嫌がり、歩行も困難になります。

犬種では、若年齢から中年齢のミニチュアダックス、シェトランドシープドッグ、シーズー、マルチーズ、プードルなどの小型犬で見られることがあります。

関節リウマチの原因

リウマチの直接的な原因は、人間と同様に発生原因は不明なのが現状です。

免疫系の異常により、炎症性細胞、滑膜細胞、軟骨細胞から組織を破壊する酵素が放出され、結果として関節の破壊が起こります。

破壊の結果、関節にびらんが生じたものが「びらん性関節炎」、生じていないものが「非びらん性関節炎」です。


※「びらん」とは、組織の上層部が破壊された状態のことで、関節の場合は関節軟骨や軟骨周辺の骨が虫食い状に破壊された状態を指します。「びらん性」の方がより重症ですが、犬における発症率は1%程度です。

犬の関節リウマチはこれらが原因と考えられます。


・びらん性関節炎

びらん性関節炎の原因は、人間の関節リウマチと同様、発生原因は不明なのが現状です。

発症年齢は約8ヶ月～8歳と幅があり、小型犬種やトイ犬種で多いとされます。遺伝性が確認されているのは、アメリカとオーストラリアにおけるグレーハウンドだけと言われています。



・非びらん性関節炎

非びらん性関節炎には、他の基礎疾患が原因となり発生するものと、原因不明なものとがあります。

基礎疾患は、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、結節性多発性動脈炎、家族性アミロイドーシス、若年性多発性関節炎、リンパ球形質細胞性滑膜炎などです。

原因不明なものの場合は、特発性と呼ばれますが、実はこちらが大半を占めています。

犬の関節リウマチ治療にカルシウムサプリメント

関節リウマチは進行性の病気なので、発症すると完治は難しく、次第に慢性化していきます。

そのため、早期発見・早期治療に努め、少しでも病気の進行を抑えることが大切です。

治療は症状緩和を目的とした治療が中心となります。炎症を抑える薬や、痛みを和らげる薬を投与し、また、抗リウマチ薬も使用した投薬による療法が多いです。

体重が重い犬は、その体重負荷がリウマチ性関節炎を悪化させる原因となってしまいますので、適度な運動と食事管理で体重を落としていきます。


しかし、ステロイド等を使っていると、どうしても骨の細胞が入れ替わるのが抑制されたり、骨からカルシウムが溶け出して骨密度が低下しまいやすく、そのため、骨粗鬆症のリスクも上がってしまいます。

そこで、カルシウムと、そのカルシウムの吸収をサポートする、ビタミンDの含まれたサプリメントを利用し、身体に負担をかけずに必要な栄養素を補給するのをお勧めします。


さらに、コンドロイチンのリウマチによって結合組織が破壊されるのを抑制する働きによって、リウマチの症状を和らげる効果が期待できるといわれています。

そしてコンドロイチンの働きサポートする、グルコサミンが配合されているものと、同時に摂るのが効果的です。


リウマチは食事制限は無いものの、とても治りにくく、更に痛みを伴う病気です。

愛犬に気になる症状が見られれば、早めに動物病院で診察を受けましょう。

リウマチ性関節炎は早期発見することが重要です。少しでも早い治療で、少しでも関節炎の進行を抑えていくことが大事です。

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