猫の股関節形成不全にグルコサミン、コンドロイチンサプリメント

「股関節形成不全」とは、股関節の発育、または成長に異常が見られる疾患のことです。

大腿部の受け皿になる骨に、大腿骨がしっかりと組み合わない状態となり、太腿の骨と骨盤を結合する股関節の形が先天的に異常な状態を言います。

股関節形成不全症が発症すると、歩き方や座り方に異常が現れます。

大型犬に多い疾患と言われていますが、猫にも発症する場合があります。

猫では、主にはメインクーン、ペルシャ、デボンレックス、ヒマラヤンに多いと言われています。


近年では股異形成（こいけいせい）とも言われています。

猫の股関節形成不全の原因

猫の股関節形成不全の原因としては、主に「遺伝」と「成長期の運動のさせ方、生活環境、栄養状態」なども原因が挙げられています。

遺伝などにより、生まれつき股関節の収まりが浅い骨格が、成長期に大きくなる骨の成長に筋肉が追いつかず、関節に大きな負担がかかってしまう為に発症してしまうと言われています。


犬における研究では、骨が急速に成長する生後60日の間に、股関節に対してどのような力が加わるがという要因が、骨盤の形成に影響していることが近年わかってきました。

この時期に成長期だからと必要以上の栄養を与えて肥満にしてしまったり、骨格がまだちゃんとできていないのに激しい運動をさせてしまうと、関節に更に大きな負担をかけてしまい、異形成を起こしやすいと言われています。

猫に於いてもこうした可能性を否定できません。

猫の股関節形成不全の主症状

■歩行時に腰が左右に揺れる

■うさぎ跳びやスキップのようなしぐさ

■後足をうまく折りたためない

■運動を嫌う

■股関節の脱臼


先天的な股関節の発育不全のため、成長にしたがって変形や炎症が見られ、それに伴い股関節の脱臼が起こります。

症状は発育不全の程度と、脱臼を起こす箇所によって様々です。

その多くは1歳までに症状が現れます。しかし、3歳頃まで現れなかったり、またその後もほとんど症状が現れない場合もあります。

痛がる様子を見せたり、ジャンプができない、腰を振るように歩く、階段の昇り降りを嫌がる、後足を折りたためないなどの症状が表れます。

股関節形成不全の治療

股関節形成不全症の治療は、発育不全程度や猫の年齢などによって様々です。

猫がまだ成長期にあり、症状が軽度と判断された場合は、安静にすることが治療、および悪化の防止になります。

痛みを伴っている場合は鎮痛剤が処方され、運動は軽めに抑えて、肥満にならないよう食事量に気をつけながら体重管理し、股関節が正常に成長するのを待ちます。


運動機能に明らかな障害が見られ、日常生活に支障をきたす場合には外科手術という可能性もありますが、猫の身体は小さく、手術も難しく、費用も高額なため、国内ではまだ普及していないのが現状です。

股関節形成不全の治療にグルコサミン、コンドロイチンサプリメントを

遺伝的な要因が強いため、股関節形成不全の具体的な予防策はありませんが、日頃から猫の行動をよく観察して早期に発見できるようにしたり、症状の悪化を防ぐために肥満にならないような食餌管理が必要です。

軽症の段階なら、消炎鎮痛剤や軟骨保護作用のあるサプリメントを利用し、症状を緩和させてあげましょう。

中でも、グルコサミンとコンドロイチンは、関節組織の損傷の修復を助けてくれるのはもちろん、痛みや炎症を和らげることができます。

コンドロイチンは、粘液などに含まれているムコ多糖類の一種とされています。

コンドロイチンは体内の水分量をコントロールしたり、骨を形成し、関節や靭帯、腱の弾力性や円滑性を保つ、骨と骨の摩擦を防ぐクッションの役割を果たしています。


しかし、一番大事なことは、日々の体重管理と定期的な運動です。

サプリメントで不足分を補いながらの食事管理と、適度な運動で、肥満にならないように生活習慣を見直し、関節に過度な負担をかけないような生活をしていく事が重要です。

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