犬は関節が弱く、寒い時期になると、気温の低下や気圧の変化などにより身体が冷え血行が悪くなり、足を痛がる事で歩く事を嫌がり、筋骨格系疾患での通院が増加すると言われています。
そんな犬の筋骨格系疾患で、特に多いと言われるのが脱臼です。
脱臼は先天性のものや習慣性のもの、さらにはリウマチ性関節炎などによって二次的に発症してしまう可能性もあり、とても発症しやすい病気です。
また、犬の脱臼で特に多く見られるのが、
股関節の脱臼と
膝の脱臼となります。
膝の脱臼は、特にトイプードルなどの小型犬がかかりやすいとされています。
飼い主さんは、症状について理解し、愛犬へ適切な対応が出来るように日頃から心掛けてあげる事が大切です。
犬の股関節脱臼
股関節脱臼は、後ろ足の付け根の関節が外れてしまい、歩行が障害される病気です。
骨盤と大腿骨を結んでいる関節を、股関節といいます。
股関節の構造は、骨盤側にくぼみがあり、そこに大腿骨の先端にある丸い骨(大腿骨頭)がはまり込んでいます。
ここに大きな力が加わると、大腿骨頭が骨盤のくぼみから外れてしまい、これが股関節脱臼の主な原因となります。
股関節脱臼は、足の付け根に大きな力が瞬間的に加わった時に発症します。
多くの場合、症状は突然あらわれます。痛みがある為、犬は急に片足を上げたまま、地面におろそうとしなくなり、歩く時も、足を上げたり、片足を引きずったりします。
股関節脱臼の主な原因は、落下や転倒など、殆どの外傷が原因になります。
脱臼する方向はほとんどが頭背側方向で、これが全体の90%を占めます。
発症すると、後足が地面につかないようにと、スキップするような違和感のある歩き方になります。
外傷以外の原因としては、先天的な股関節の異常が挙げられます。
中でも最も多いのが股関節形成不全です。
これは遺伝性・進行性の病気であり、股関節の緩みと変形が時間と共に進行するという特徴を持っています。
他にも、成長ホルモンや骨を作るホルモンの分泌障害や、食餌の成分により骨が栄養障害を起こしていたりすることが原因になる場合もあります。
犬の膝蓋骨脱臼
膝蓋骨とは、人間で言う膝のお皿の部分です。
膝蓋骨脱臼は、膝のお皿が本来あるべき位置からずれてしまった状態を言います。
膝蓋骨は、大腿骨(モモの骨)にある滑車溝という窪みの中にはまっていて、それが膝関節の滑らかな屈伸運動に役立っています。
この膝蓋骨が滑車溝から外れる状態を膝蓋骨脱臼といいます。
膝蓋骨脱臼は、トイプードルやポメラニアン、チワワ、ヨークシャーテリアなどの小型犬で多く見受けられるのが特徴です。
しかし、最近ではラブラドールレトリバーといった中~大型犬でも症例が散見されています。
膝蓋骨脱臼の症状には、様々な種類があります。
無症状である事もあれば、時々足を挙げたり、スキップの様な歩き方をしたり、ひどい時には完全に足が着けなくなります。
そして、重症だと骨格の変形により全く足を使えなくなる事もあるとても危険な病気です。
膝蓋骨脱臼は、その症状の重症度により、グレード1〜4の4段階に分けられます。
グレード1:膝蓋骨を手で脱臼させることはできるが、圧迫を解除すると自力で正常な位置に戻る。
グレード2:膝蓋骨を手で脱臼させることはできる or 膝関節を曲げたときに自然に脱臼する。脱臼した膝蓋骨は手で押し戻すか関節を伸ばすまで戻らない。
グレード3:脱臼した膝蓋骨は、関節を伸ばして手で押し戻すまで戻らない。膝関節を曲げたりのばしたりすることで、膝蓋骨が容易に再脱臼する。
グレード4:膝蓋骨が常に脱臼状態にあり、手で押し戻すことができない。膝蓋骨が滑る溝(大腿骨滑車溝)は浅いか欠損している。
グレード1の段階では、時折膝が外れるものの、すぐに自然と正常な状態へと戻り、ほぼ生活に支障はありませんが、グレード4になると、常に膝が外れた状態となり、足を引きずって歩いたり歩行困難な状態になります。
愛犬が歩行困難になってしまうことがないよう、膝蓋骨脱臼を未然に防ぐことが大切になります。
脱臼の予防と対策に日常生活で心掛ける事
前述の通り、犬は関節が弱く、脱臼をしやすい動物です。
飼い主さんは、日頃の生活環境を見直し、犬の関節に負担を掛けてるか、怪我の危険性があるかもしれないかという事を再度見直す事が大切です。
・フローリングをやめる
人間には人気のフローリングですが、犬にとっては滑りやすく危険です。
また、犬の足の関節に負担をかけてしまい、怪我をしやすい環境です。
カーペットやじゅうたん、マットなどを敷く事でフローリング部分をカバーし、滑らないようにしましょう。
・家具の配置に気を付ける
ソファーやベッド、椅子などから飛び降りた後に、歩き方がおかしくなり病院に連れて行ったなどというのは、小型犬には特に多い話です。
犬は夢中になって走り回っていると案外周りの状況が見えてないことが多く、家具にぶつかったりすることが多いので、犬の行動範囲においては家具の配置を考え、足元には滑らないようにマットなどを敷いたりスロープを設置するなどの対策をしましょう。
同じ理由で、階段の昇り降りをできるだけ避けるようにすることも大事です。
・犬とのお散歩はコンクリートを可能な限り避ける
外での散歩はできるだけコンクリートを避けて柔らかい土の上や芝生を散歩しましょう。
都会ではなかなか難しいかもしれませんが、土の場所や柔らかい場所をなるべく探してポイントを見つけてあげる事が大切です。
それにより筋肉が発達し、関節を守ることに繋がるので、意識してあげるといいです。
生活環境の改善と、食生活の改善も必要不可欠となります
肥満による関節への負担は、脱臼や骨折にも繋がっていきます。
食事のバランスと適度な運動をさせる事で、適切な体重を維持できるように心掛けて下さい。
カルシウムやコンドロイチン、グルコサミンなどの関節の健康を維持するのに必要な成分を配合しているサプリメントを利用し、不足しがちな部分を補う事でも、予防に効果的です。
特に、健康な関節の維持にはグルコサミンとコンドロイチンが欠かせません。
グルコサミンとは
グルコサミンは、軟骨の構成成分であるムコ多糖類の一種で、糖に、アンモニアの水素原子を炭化水素基で置き換えた物質であるアミンが結びついた成分です。
グルコサミンはカニやエビなどの甲殻類の外皮に含まれているキチンを加水分解して得られる成分です。
グリコサミノグリカンと総称される分子の主要成分であり、体内の各組織の柔軟性や弾力性に寄与しています。
元々は体内で生成され、軟骨、爪、靭帯、心臓弁などに存在していますが、加齢によって減少していきます。
グルコサミンは定期的に摂取することで、変形性関節症や関節炎などの関節疾患の予防と改善に効果があります。
現在ではサプリメントなどにも配合されており、分子の中に塩酸基があるグルコサミン塩酸塩と、硫酸基があるグルコサミン硫酸塩が使われています。
その効果から、1990年代からはアメリカで、ペットや競走馬などへの関節炎治療としても使われるようになりました。
コンドロイチンとは
コンドロイチンの役割は骨と骨の間の部分である軟骨や関節などにおいて潤滑油の役割を果たします。
また、骨はカルシウムによって生成されていますが、コンドロイチンはこのカルシウムを骨に定着させる働きも持っており、骨に於いても関節に於いても重要な要素です。
コンドロイチンは、納豆やオクラやフカヒレなどの粘り気のある食べ物に多く含まれています。
グルコサミンと同様、コンドロイチンは加齢によって不足していきます。
コンドロイチンが不足してしまうと、関節炎や関節痛の症状を引き起こしてしまいます。
そのほか、関節部分以外にもコンドロイチンは存在し、皮膚や眼球や肝臓などにも多く存在しています。
さらに、コンドロイチンは体の中における水分の量も調節しています。
コンドロイチンが老化などによって固くなってしまっていると、肌に行くはずである栄養分がうまく行き渡ることができず、肌がより老化していきます。
また、コンドロイチンは細胞から排出される老廃物も外に出す役割も果たしています。
コンドロイチンが不足してしまうと身体の中の細胞の代謝が悪くなってしまい、老化を早めることになってしまいます。
コンドロイチンはグルコサミンと同様、年齢が経てば経つほど減少してしまうものですが、軟骨の摩擦などによっても減少してしまいます。
またコンドロイチンで知っておいていただきたいことは、コンドロイチンはサプリメントとして使用される場合もあれば医薬品としても使用されています。
コンドロイチンが医薬品として使用される場合、しっかりと認定をされているため、関節炎などの治療に使用される場合には副作用の報告もなく、効果が保証されています。
サプリメントや医薬品としてではなく、日常生活の食事からもコンドロイチンを摂取することができます。
犬の関節に負担が掛からないよう生活環境の見直しと、犬の関節用サプリメントで、脱臼の予防をしてあげてください
グルコサミンは、コンドロイチンと共に摂取する事で、その効果をお互いが高め合ってくれます。ですので、コンドロイチンも含まれたサプリメントを摂取すると、より効果が期待できます。
散歩や遊び、運動などの、日常生活においても、犬の関節の病気に繋がる可能性があります。
そんな日常に潜む関節の病気を予防していくには、生活環境と食生活の改善が必要となります。
床にじゅうたんやお風呂マットを敷くなどして、フローリングの面積を減らし、滑りにくいものにしてあげます。
足の裏の毛が伸びたら滑らないように短くし、愛犬の足に負担をかけないような生活を工夫してみてあげてください。
そして、食事で補いきれない栄養素を、サプリメントで栄養補給してあげてください。
普段の生活環境の見直し、食事にグルコサミン、コンドロイチンが配合されたサプリメントを利用し不足分を補い、関節や足腰に過度な負担をかけない生活を心掛ける事が、脱臼の予防にとても大切な事です。
家庭のいぬねこ医学で、もっと詳しく犬の病気を知ろう!
愛犬が病気になってしまった時、出来る事はすべてやってあげたいというのが飼い主さんの想いです。
犬の病気と犬の身体の事を知って頂き、サプリメントで症状が快方に向かう事を願っております。
rashiku-rashikuのサプリメントは犬の身体に必要な栄養素を満たすために、人間が飲める最高品質で作られています。
動物病院やお客様からも沢山の症例報告もありますので、犬の病気を知って頂き、改善する為にはどんな栄養素が必要なのかをわかりやすく説明していきたいと思います。