犬のヘルニアにはカルシウムサプリメント

ヘルニアとは、臓器の一部、または全てが、体内にある裂け目や隙間から脱出し、それにより正常な側の臓器が圧迫を受け、機能障害を引き起こしたり、体の外に脱出してしまう病気です。

ヘルニアには、生まれつき体内に裂け目やすき間があって起こる先天性のものと、外傷や激しい運動などで体内の裂け目やすき間が広がって起こる後天性のものがあります。

犬のヘルニアの種類

犬のヘルニアもその部位により様々で、主に次のようなものがあります。


■鼠径（そけい）ヘルニア

鼠径部（足の付け根）の隙間が広がって、鼠径の皮下にお腹の臓器が飛び出してしまうヘルニアです。

膀胱が飛び出る場合には排尿障害が現れ、腸が飛び出る場合には腸閉塞を引き起こす。


■臍（さい）ヘルニア

臍（へそ）の穴から内臓が飛び出した状態、いわゆる「出べそ」のこと。

お腹に強い圧力が加わり、へその穴の隙間が広がることが原因で発生する。悪化した場合には手術が必要となります。


■会陰（えいん）ヘルニア

犬の会陰ヘルニアは、会陰部という、肛門の周りにある筋肉の間に隙間ができ、そこにお腹の中の臓器が飛び出てしまう病気です。

臍ヘルニアと違って膀胱が飛び出てくることがあり、まれに尿が出にくくなるといった症状が現れます。


■食道裂孔ヘルニア

生まれつき横隔膜にある食道裂孔という穴が広い場合、その隙間から胃が胸腔内に飛び出してしまうヘルニアです。


■椎間板ヘルニア

激しい運動や老化などで椎間板に変性が生じて、髄核と呼ばれる物質が脊椎のクッションとなる脊髄と、脊髄から出る神経を圧迫するヘルニアです。

足を引きずる、階段の上り下りを嫌がるなどの様子が見られ、悪化すると、神経が麻痺して半身不随を起こしてしま可能性があります。

犬の椎間板ヘルニアについて

ミニチュアダックスフンドが増加し椎間板ヘルニアの症例が多くなっています。

ダックスフンド犬の約25％は一生の間に椎間板に関連した病気を発症すると言われています。

椎間板ヘルニアはその中でもよく聞く病気で、犬や猫の身体の構造上、胸や腰でヘルニアが生じると、必ず脊髄を損傷することになります。

そのまま悪化してしまうと、後肢が麻痺して、半身不随を引き起こしてしまいます。


ダックスフンド以外にも、ビーグル、コッカスパニエル、ペキニーズ、キャバリア、プードルなどの軟骨異栄養症性犬種に多発すると言われているので、注意が必要です。


椎間板ヘルニアは、骨と骨の間でクッションの役割をしている椎間板が、様々な原因がきっかけで擦り減ったり、神経を圧迫したりして、痛みなどを引き起こす病気です。
この病気は、ハンセン1型とハンセン2型に分けられます。


・ハンセン1型

ダックスフンドなど、軟骨形成異常になりやすい素質を持つ犬種である軟骨異栄養性犬種が、弱くなった椎間板に負荷がかかってしまい、脊髄が圧迫されます。
歳に関係なく、若い間でも発症し、症状が急激に進行するのが特徴です。

一般的にハンセン1型は、胴が長くて足が短い犬種（ダックスフント、ペキニーズ、ビーグルなど）で、3～5歳ぐらいの若齢犬が発症する事が多く、突然症状が発症します。


・ハンセン2型

ヘルニアになりやすいといわれる犬種以外も含め、加齢に伴って形成に異常を起こした状態です。

主に大型犬種が発症する場合が多く、その多くは8～10歳と高齢期に起こり、症状が慢性的経過を辿って徐々に進行する事が多いのが特徴となります。

椎間板ヘルニアの主な原因

椎間板ヘルニアは、階段の昇り降りなどの激しい運動や、肥満や骨の老化などで、頭部や胴体の重みを支える、脊椎のクッションの役割をする椎間板への負担が大きくなって損傷することによって起こります。

椎間板が損傷すると、椎間板内部の髄核が飛び出して脊髄や脊髄と繋がる神経を圧迫するようになり、これが麻痺や痛みの原因となります。

犬の椎間板ヘルニアの予防と治療にカルシウムサプリメント

症状の度合いにより、薬物治療や外科治療が施される椎間板ヘルニアですが、ヘルニアは一度発症すると、再発や別箇所での発症の可能性が高いので、日頃の生活による予防や、病み上がりのリハビリがとても大事です。

椎間板ヘルニアを発症しやすい犬種では、激しい運動はなるべく控え、適度な運動と、フローリングの床にはカーペットなどを敷き、段差をあまり昇り降りさせないようにするなど工夫して、なるべく脊椎に負担をかけないようにすることが大切です。


ヘルニアを予防するためには、丈夫な骨を作るだけではなく、それを支える筋肉を育てる事で、椎間板への負担を軽減させた身体を作っていく事が重要です。

適度な運動によって骨に負荷を与える事で、骨芽細胞が活性化し、体内のカルシウムを呼び集め、より頑丈な関節を形成していきます。


そして、徹底した食事管理と食生活の改善による食事療法が効果的です。

カルシウム、ビタミン、ミネラルをたっぷり含んだ食事が必須となるので、摂取が難しいとされる栄養素を、これらを含んだサプリメントで補充します。

総合的な栄養バランスを意識した上で、吸収性の高いサプリメントを利用して、カルシウムとビタミンを与えてあげましょう。

しかし、カルシウムサプリメントにも、一般的に用いられる骨髄性カルシウムや、卵殻や貝殻を使用した炭酸カルシウムは、過剰摂取の危険や、体内で結晶化する危険性など、摂取量のバランスが困難である事も同時に懸念される問題です。

これらの問題をクリアするには、水に溶けやすい水溶性のカルシウムのサプリメントを選ぶ必要があります。

そして、消化の吸収を高めるビタミン類がバランス良く配合されている、安心してお使い頂ける高品質なカルシウムサプリメントのりようを続けていく事が大切です。

家庭のいぬねこ医学で、もっと詳しく犬の病気を知ろう！

愛犬が病気になってしまった時、出来る事はすべてやってあげたいというのが飼い主さんの想いです。犬の病気と犬の身体の事を知って頂き、サプリメントで症状が快方に向かう事を願っております。
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動物病院やお客様からも沢山の症例報告もありますので、犬の病気を知って頂き、改善する為にはどんな栄養素が必要なのかをわかりやすく説明していきたいと思います。