人も犬も、動物である以上、当然加齢による老化を避ける事ができません。
誰もが歳をとり、身体中のあちこちに衰えが生じてきます。
近年では、犬の寿命が延びていると言われています。
しかし、寿命が延びようと、犬の老化スピードが人間よりも早い事には変わりありません。
犬の老化現象は、小型犬より大型犬の方が早く起きやすいと言われており、小型犬で約9~13歳、中型犬で約9~11歳、大型犬で約7~10歳ぐらいから徐々に老化のサインが表れます。
シニア期に入ると、食事や運動などの身体機能の衰えや、気力などの面で色々と変化が出てきて、病気にもかかりやすくなります。
加齢による筋力低下によって足が不自由になると、片方の後ろ足を上げて歩くようになったり、散歩の足取りもよぼよぼしながら歩いてしまったりと、毎日痛々しいしぐさが続き、「このまま動けなくなってしまったら」と心配してしまう飼い主さんもきっと多いはずです。
動物として、本来避ける事の出来ない老化現象ですが、人間と同じ様に、生活習慣や正しい栄養管理を続けていくことで、健康な身体を長い間保っていく事が可能です。
ケアの仕方も、当然年齢によって変わってきます。
老化が進むと、若い頃のままのケアでは、負担を掛けてしまうことになるので、愛犬に老化のサインを感じたら、その変化に合わせて、ケアの内容も少しづつ変えていく事が大切です。
その為に大切な事が、飼い主さんが日頃から愛犬の事をよく気にかけてあげる事です。
見た目だけではなく、動作などで、老化の兆候が見受けられるようになったら、身体の中で体力や免疫力などが低下している可能性があると意識してあげてください。
老化が表れ始めた犬の特徴
では、老化が始まると、どのような変化が身体に起きてくるのでしょうか。
老化現象による愛犬の状態を察知する為にも、身体の変化を知っておく事大切です。
人間と同じ様に、犬の老化も見た目や行動に表れます。
歳を重ねると、目、耳、歯、筋骨格、自律神経系など、身体の各部にガタがきて、機能が徐々に衰えていってしまいます。
それにより、筋肉が落ちたり、毛に白髪が混じるようになったり、口臭や体臭がきつくなったり、頬の筋肉が緩んだり、目が白く濁ったりなどと、外見でも様々な老化現象が確認できます。
また、行動だと、耳が遠くなり、睡眠障害やトイレの回数が増えたり、すぐつまづいてしまったりと、犬の老化現象はその行動にも大きく表れます。
そして、気を付ける必要があるのが、老化にはそれぞれ差があり、10歳を過ぎても元気に走り回るような犬もいれば、4~5歳ですでにもう元気がなく、一日中寝ているような犬もいるという点です。
筋肉の衰え
筋肉は、毎日使わないだけでも筋肉量がどんどん減っていき、次第に細くなっていきます。
筋肉量が減ることは筋力の衰えに関係しています。
筋力が衰えると、関節に負担が掛かり歩く事なども困難になっていきます。
そして、歩かなくなることは、更に筋肉量の低下を招き、動くこと自体が負担になってきて、運動機能そのものの低下という悪循環を招いてしまいます。
こうした悪循環にならない為にも、日頃から歩ける内に筋肉を鍛えておく事が大切です。
目の衰え
人間と同様に、犬の目も加齢とともに悪くなります。
眼球内部にある水晶体と呼ばれるレンズが曇ってしまう核硬化症(かくこうかしょう)を始め、白内障、緑内障などが、加齢に伴う代表的な眼科疾患です。
物によくぶつかるようになる
視界が不自由な影響で以前より臆病になる
飼い主への依存度が高くなる
よく吠えるようになる
恐怖の裏返しとして攻撃的になる
走らなくなる
愛犬にこのようなしぐさが見受けられるようになると、目が衰えている可能性が高いです。
愛犬の身体の状態に適したケアをしてあげる必要があります。
皮膚の衰え
被毛や皮膚も、加齢によって毛ヅヤが悪くなったり、パサつくようになります。
人間と同じ様に、脱毛や皮膚にシミが見られる事もあります。
また、大きなシミやしこりが見られる場合は、病気の症状や腫瘍の可能性もあるので、獣医師に相談する必要があります。
他にも、耳や内蔵など、身体の様々な部位に、老化による衰えが見られるようになります。
老化現象はL型アミノ酸の不足が原因?
タンパク質は、肉食動物の犬にとって、必要不可欠な栄養素であり、成犬では、人間の4倍以上のタンパク質が必要であると言われています。
タンパク質は、胃で消化し、小腸から吸収されて血管に入り、肝臓に行く頃には99%がアミノ酸という単位まで小さくされています。
この分解されたアミノ酸が小腸で吸収され、筋肉、臓器、皮膚、血液など全ての組織で重要な働きをします。
つまり、アミノ酸とは、タンパク質を構成する最小単位となる分子のことを指し、身体のあらゆる機能を支えている栄養素なのです。
地球上のあらゆる生命、植物も動物もアミノ酸が作り出すタンパク質から出来ています。アミノ酸は全ての生命の素なのです。
人間の細胞の一つ一つ、更に遺伝子情報であるDNAも、アミノ酸から作られています。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸
身体を作っているアミノ酸は20種類。
その中で、身体の中で合成できるのが10種類、残りの10種類は合成できない物で、食物を食べることでしか摂取できません。
この体の中で合成できないアミノ酸のことを「必須アミノ酸」と呼び、合成できるアミノ酸のことを非必須アミノ酸と呼びます。
老化現象による衰えとアミノ酸の関係性
犬にとって必要な必須アミノ酸は9種類となります
また、アミノ酸にはD型アミノ酸と、L型アミノ酸の二種類があり、体内ではL型アミノ酸しか利用できないと言われています。
老化現象による衰えは、食物を摂取した際に作られるアミノ酸が、L型からD型へと変わっていってしまい、これにより、体内のL型アミノ酸が不足し、身体の機能が衰えてしまう事を指しています。
L型必須アミノ酸の種類とはたらき
タンパク質を作る約20種類のアミノ酸の内、体内で合成できないため、必ず食事から摂取しなければいけないアミノ酸があり、これを「必須アミノ酸」といいます。
必須アミノ酸の種類や数は動物によって異なり、犬は9種類と言われています。
◆必須アミノ酸の主な成分
必須アミノ酸には一つ一つ、それぞれ役割があります。
・バリン
バリンはスポーツ前や運動中、スポーツ後に筋肉へのダメージを軽減してくれるアミノ酸です。
また、血液中の窒素バランスを調整する働きもあります。
・ロイシン
ロイシンは肝機能や筋肉を強化させたい犬に摂って欲しいアミノ酸です。
牛肉やレバーに多く含まれています。犬用のエサにも取り入れやすいアミノ酸と思われます。
・イソロイシン
イソロイシンは体の成長促進や筋肉強化、神経物質の働きをサポートすると言われています。
牛乳に多く含まれている運動後疲労回復する際の必須アミノ酸でもありますので、お散歩やドッグスポーツ後の栄養補給としてサプリメントを取り入れるのもいいと思います。
※バリン、ロイシン、イソロイシンを3種を「分枝鎖アミノ酸(BCAA)」と呼びます。
このBCAAは、数あるアミノ酸の中でも筋肉の運動に関係が深い大切なアミノ酸です。
BCAAの中でも、特にバリンとイソロイシンには「持久力アップ」の効果があるといわれています。
また、イソロイシンとロイシンはケト原性アミノ酸と呼ばれ、自身がエネルギー源になりやすい性質があるため、運動前に補給することで筋繊維の損傷を抑える働きがあります。
・アルギニン
アルギニンは血行促進や成長ホルモンの促進に重要な役割を持つアミノ酸です。
牛乳 大豆 玄米に多く含まれます。
・ヒスチジン
ヒスチジンは鶏肉や子牛肉、ハム、チェダーチーズに多く含まれています。
発育に欠かせないアミノ酸であるほか、神経機能のサポートもします。ヒスチジンが多く含まれる食材には犬に与えてはいけないものが多いため、サプリメントでの摂取が安全です。
・リジン
動物の体を構成する物質としてたんぱく質はなくてはならないものです。
リジンは体内でたんぱく質を組成する際にとても重要です。
サワラやサバに多く含まれているので、魚が苦手な愛犬に補給させるなら犬用サプリメントを利用してでの摂取がお薦めです。
・メチオニン
メチオニンは不足すると利尿機能の低下、全身のむくみが生じます。
牛肉、羊肉、全粒粉小麦に豊富です。犬用だけではなく、人間用の抗うつ剤としても注目されています。
・フェニルアラニン
フェニルアラニンはうつ症状や太り気味の体型が気になる方に必要なアミノ酸です。
小麦胚芽や大豆に多く含まれていますが、過剰摂取すると血圧上昇の原因になることもあるので注意が必要です。
・トリプトファン
トリプトファンは乳製品や大豆に多く含まれるアミノ酸です。血液によって運ばれることによってセロトニンというホルモンを分泌し、精神を安定させる効果があります。
医学の分野でも不眠症やうつにお悩みの方向けの治療に活用できるように研究が進められています。
・トレオニン
トレオニンは成長の促進と肝臓への脂肪蓄積防止に大切な必須アミノ酸です。子犬だけでなく、老齢期に入った愛犬の新陳代謝の改善にもお勧めです。
卵や鶏肉、七面鳥といった肉類に多く含まれています。
食の細いシニア犬や老犬にとって理想的な食事
犬も歳を取ることで、胃腸などの機能や代謝量が減少し、食が細くなり充分な栄養が行き渡らなくなっていきます。
それにより、筋力や身体の免疫力が低下し、他の病気も引き起こすようになってしまいます。
ですので、年齢に考慮した上で、適切な栄養を摂取する事ができる食生活の見直しが、健康維持に重要な要素となります。
また、シニア犬は成犬に比べて食べる量が減るので、少ない食事でより効率的に栄養素を摂取できる食事を与えていかないと、栄養が不足してしまいます。
そして、個体差はありますが、加齢に伴った病気を複数抱えているケースが多いので、栄養の摂り方もシニア食なら何でも良いわけではないというのも、注意しなければならない点です。
多くの老齢犬は、食餌性のタンパク質の消化や排泄能力が低下してきます。
実際には、食事の量が少なくなるので、壮齢期より良質のタンパク質の含まれた食事が必要になります。
つまり、低脂肪で消化しやすい食事に、上質なL型必須アミノ酸が含まれたサプリメントを利用し、不足している栄養素を補ってあげる必要があります。
また、老化現象は、加齢による体内のL型必須アミノ酸不足による衰えが原因です。
そのため、L型アミノ酸サプリメントを用いて、身体の外から上質なL型アミノ酸を届けてあげる事で、筋肉量をはじめとした様々な老化防止に対して効果を期待する事が可能です。
運動機能の衰えが見られたら、アミノ酸の摂取と共に、適切な運動を行うと同時に、筋肉を温める工夫をしてあげること、それにストレッチをしてあげるようにしましょう。
年齢とともに、必要とされる栄養バランスや食事の量も変わっていきます。
サプリメントであれば、年齢に適した量を与え易く、効率よく身体の中にL型必須アミノ酸を届けてあげる事が可能です。
老化現象の始まりをいち早く察知し、シニア犬になり始めの内から、上質なL型必須アミノ酸を体組織全て届け、免疫力を向上させていく事が、老犬の体内にも負担をかけず、老化防止のスピードを遅らせる事の出来る効果的な方法といえます。
アミノ酸は様々な器官にとって必要な栄養素です。
それぞれの環境に合わせた高品質のL型必須サプリメントを継続して与え、元気な身体を保てるように心掛ける事が大切です。
家庭のいぬねこ医学で、もっと詳しく犬の病気を知ろう!
愛犬が病気になってしまった時、出来る事はすべてやってあげたいというのが飼い主さんの想いです。犬の病気と犬の身体の事を知って頂き、サプリメントで症状が快方に向かう事を願っております。
rashiku-rashikuのサプリメントは犬の身体に必要な栄養素を満たすために、人間が飲める最高品質で作られています。
動物病院やお客様からも沢山の症例報告もありますので、犬の病気を知って頂き、改善する為にはどんな栄養素が必要なのかをわかりやすく説明していきたいと思います。